みなさんは「京町家」をご存知でしょうか?
多くは江戸時代から100年以上の歴史を持つ、京都の暮らしを文化財として残した木造建造物です。

古民家カフェや観光で建屋の雰囲気を愉しむのは一般的ですが、今回取材した庵(いおり)では「京町家に宿泊する体験」を提供する事業をされているとのこと。これはもう未知の世界…

そんな京町家での宿泊体験をサービスとして提供するには大変な手間隙がかかります。この効率化を目指して「mobiSense 環境モニタリングキット」を設置。運営の課題や今後の業務デジタル化構想を取材させていただきました。

mobiSense 環境モニタリングキットとは?

環境センシングに必要なもの(センサー・ゲートウェイ・通信回線・ダッシュボード)をまとめて提供する月額利用制サービスです。データを活用した見守りや職場環境改善、業務の効率化などを、簡単にはじめられます。

  • 届いてすぐに使える
    LTE回線を使っており、設置工事も設定も一切不要。専用センサーをUSBポートに差して電源を入れれば環境データ収集が開始します。
  • 洗練されたダッシュボード
    センサーから収集されたデータを見やすくダッシュボードで可視化します。
  • チャットやメールで自動通知
    データが規定値を超えたら自動的に通知することで、換気を必要なときだけ行なうといった効率化に役立ちます。

運営会社:庵町家ステイについて

「美しい日本の暮らしを伝えたい」想いから創業。11棟の京町家を宿泊施設として管理・運営。京町家の文化を色濃く体験できるよう、一棟まるごと、一組だけの貸切スタイル
京町家文化を堪能できる特別な宿泊体験を演出するために、様々なアイデア(アナログ・デジタル問わず)を取り入れている。

運営する町家は事務所から5km圏内にあるものの、全ての棟の造りも異なり様々な手間隙をかけているそうです。
外国人・日本人どちらもリピーターが多いそうで、体験価値への強いこだわりがうかがえました。

Go To トラベルキャンペーン対象なので、未体験の方はこの機会にぜひいかがでしょうか。

※庵のPR動画が雰囲気をイメージしやすいです(こちら↓)

京町家ならではの悩みとは?

京都駅から一駅、五条の大通りから一つ裏に入った通りに事務所(兼 町家)がありました。京都駅からも歩ける距離にあることに驚きました。

インターフォンを押して出迎えていただきふと気づく。

「あれ、これはもしかして…鍵ですか?」

聞くとSmartLockで、触れると認証キーを入力して施錠・解錠が可能。とてもシンプルで操作がわかりやすい。

総支配人の下田さん
「町家は全て引き戸ですし1棟ごとに型が異なりますし、オーナー様所有物件のため穴を開けたりできないので、選定が大変でした。どの国の方でも理解しやすい操作性も必要ですし。導入前はお客様へチェックイン時に鍵を事務所で貸し出していましたが、10箇所以上で離れた場所もあり毎日の往復時間が課題でした。」

コンシェルジュの深見さん
「入退室があったことが事務所から確認出来ますので、チェックアウトのご連絡や確認は不要になりました。」

…これは相当な試行錯誤が垣間見えて恐れ入りました。ぜひ一緒にDX実現させましょう!

最高の体験と快適性を両立させる

庵のコンセプトは、「暮らすように旅する」で、建屋の原型をできる限り残しているため「京町家の息づかい」を感じられます。一方で「宿泊施設としての快適性」も重視しています。水回りは清潔感抜群でした。

町家の造りは一棟ごとに全く異なります。一例ですが、外観の造りはこのようなもの。現代とは全く異なる造りで、例えばホームセキュリティを入れようにも窓が対応していないなどの課題があります。(※画像出典:京都の文化遺産 より)

取材先の京町家には中庭があり、風格ある建屋の造りでありながら清潔感が素晴らしく、コンセプト通り徹底したこだわりを感じられました。

建屋維持を効率化するためには?

では、この空間の快適さを維持するためにどのような業務をされているのでしょうか?

一泊の清掃だけでも、3人がかりで3〜4時間かかるそうです。
町家一棟と事務所に環境モニタリングキットを設置していただき、取材までのデータを取得。そこから見える傾向をご説明したところ、「実はここに苦労している」「こういうシーンでシステム化できると助かる」といった具体的なシーンの話をお聞きできました。

町家の室内に設置された環境モニタリングキット
ダッシュボード画面はスマホから確認できる

1. カビ対策を自動化(湿度センサー+空調制御)

ーー湿度が徐々に高まって下がっているようですが、何か思い当たる理由がありますか?

(下田さん)
空室の翌日や雨が降ったときに湿度が高まっているのだと思います。定期的に従業員が現地に行って換気をしているので、そのときに湿度も下がるのだと思います。

最近すごく困ったのは、緊急事態宣言で出社人数を制限する必要があった中、雨が連日続きました。定期的な空気の入れ替えを高頻度で対処しなければならなくなり…大変でした。

これだけ数値化・可視化できるのであれば、湿度を遠隔で把握して、自動的に空調ON/OFFができると理想的です。

2. 防犯対策(人感センサー+通知)

ーー照度と環境音が9月連休中の深夜帯に目立っていますが、事務所を閉めてから入退室があったのでしょうか?

(深見さん)
人が居た時間帯が分かるのはすごいですね…その日は少し遅い時間までスタッフが業務をしておりました。

防犯でスマートロックの仕組みがあるとはいえ、人が出入りしたら通知が来る仕組みはあると安心ですね…もし退勤後に人が居ると検知したら通知してもらうアプリって作れるのでしょうか?

ーー通知は機能がありまして、ルールを設定しておけば自動でチャットツールやメールに通知できますよ。

(深見さん)
「照度」「音」をもとに、自動通知されるのは良いですね。とても安心だと思いました。

ーーぜひご利用ください。通常時の環境数値傾向をグラフで把握して、異常値の時だけ通知するようルールを設定すると良さそうですね。

3. 理想は全ての建屋をリモート管理+制御できること

(下田さん)
お客様がチェックアウトしてからの清掃業務は3人で3〜4時間かかりますが、全て従業員が行います。棟ごとに造りが異なることもあり、外部委託すると値上げせざるを得なくなるほどコストがかかります。

デジタル化で実現したいのは「お客様に見えない部分の効率化」ですので、全ての建屋を遠隔管理できて、空調やガス、施錠などの状態を見守れるようになると、理想だなと思います。効率化できたら、おもてなしをもっと追求できるので。

ーーとてもよく分かりました。
まずは今回の実証研究で、数値から気づきを得られたようで良かったです。
次は「空調のリモート制御」に挑戦して効率化に踏み出していきましょう!

すべては「UX」を追求するために

いかがだったでしょうか?
「暮らすように旅する」をサービスとして提供するまでの現場の苦労は相当なものでした。コロナ禍で厳しい状況にもかかわらず、お客様の喜んでくれる姿を追求しつつ、従業員の働く環境をもっと良いものにしたい、皆さんの意志に圧倒されました。

ワーケーション(※仕事だけどとてもリラックスできた意味で)を京町家で過ごしつつ、周りの人を幸せにする仕組みづくりに想いを馳せる・・・取材陣も最高の体験をさせていただきました。居心地が良すぎて名残惜しかったです。次回は宿泊体験もセットで取材します!絶対!!!